KIRIN's Facts #01 クラフトビールとは

クラフトビール発祥の地である米国では、歴史的な背景から、クラフトブルワリーは小規模・独立性・伝統的と定義されているが、小規模のスケールなど事情が異なることもあり、日本ではクラフトビールの明確な定義はないと言われている。
キリンではお客様がそのビールを飲むときにどう感じるかを第一に考え、クラフトビールを造り手の感性と創造性が楽しめるビールと定義している。

米国のBrewers Associationの定義では、年間生産量が約70万㎘以下、大手ビールメーカーの持株比率が25%未満、伝統に革新を加えた製法と原料、の3要件

クラフトビール
発展の歴史

大手2社がほぼ独占していた米国ビール市場では、1970年代に始まったホームブリューイングを起源として、80年代には伝統的な醸造方法と、新しく育種されたフルーティな香りのホップやその香りを活かすドライ・ホッピングなどのホップ使用法を特徴とするビール造りが西海岸から東海岸に波及した。ニューヨークではBrooklyn Brewery(ブルックリン・ブルワリー社)※2が創業し、90年代後半にはGarret Oliver(ギャレット・オリバー)等の醸造職人が注目されるようになり、大都会での事業成功はクラフトビール革命と呼ばれた。

クラフトビール市場

日本国内のビール類市場は1994年の743万㎘をピークにダウントレンドにある。ビール各社は1994年から発泡酒を、2004年以降には新ジャンルを相次いで投入してきたが、低価格化のみでは縮小傾向に歯止めを掛けられなかった。一方、国内アルコール消費量全体は、2013年で下げ止まり、これまでのアルコール消費量の中心的存在であったビール類の減少分を、他のアルコールカテゴリーが補っている状況である。

クラフトビールの種類

ビールは、本来多種多様。クラフトビールがそれをわかりやすく表現している。ビアスタイルは、発酵方法の違いで主に2つに区分される。ラガー酵母をつかい下面発酵(10℃前後で1週間)させるラガー系。エール酵母をつかい上面発酵(20℃前後で3-5日間)させるエール系。これら2つ以外の方法でつくられる「その他」も存在する。さらに、地域や原料で細分化していくと、100種類以上のビアスタイルになる。

キリンビールの
クラフツマンシップ

キリンビールは、ものづくりをする上でArtの感覚を持つこと、そして五感を重んじることを大事にしている。また、1980年横浜工場内に、新商品のみならず、醸造技術を磨き、ブルワーを育成する場として、5㎘のインハウス・クラフトブルワリーともいえるパイロットプラントを開設。1984年に200Lのパイロットプラントを追加しテクニカルセンターに移管、現在は200Lと2㎘の2系列を持つ。

キリングループの
クラフトビール戦略

大量生産品のカウンターカルチャーとしてクラフトビールが生まれた米国では、大手ビールメーカーがM&Aでクラフトビールブランドのポートフォリオを充実させているのに対して、キリングループは、2014年に日本でSPRING VALLEY BREWERY(スプリングバレーブルワリー)を、1998年に豪州でJames Squire(ジェームス・スクワイヤー)を創業するなど、自社でクラフトビール事業を育成している。

日本産ホップと
クラフツマンシップ

ビールは、麦芽、副原料、ホップ、水、酵母という限られた素材だけでつくられ、素材の違いが個性的なスタイルを生み出す。なかでもホップは、苦み、フレーバー、香りを担うホップは重要な存在で、「ビールの魂」と呼ばれている。キリンビールは、100年前から山梨でホップの試験栽培をはじめ、苦みだけに注目されていたホップに、「香り」という新たな価値を見出し、2002年に「毬花一番搾り〈生〉」として商品化に導いた。

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